法術名:四天王儀(してんのうぎ)
【 概説 】
砂上の楼閣に、魂は宿りません。
如何に高潔な精神を目指そうとも、足元が揺らぎ、日々の糧や安全が脅かされる荒野にあっては、真如の光を見上げることすら叶わぬのが、肉体を持つ者の理(ことわり)です。
生存とは、闘争ではありません。それは本来、静謐なる秩序の上に築かれるべき、美しい建築であるはずです。
「四天王儀」は、須弥山(しゅみせん)の中腹より世界を統べる四人の守護神。四天王の威光を、あなたの人生へと投映する儀法であります。これは、災いから逃れるための雨宿りのごとき術ではありません。あなたの住まう家、生業、そして運命そのものを、四天王が治める「王土(おうど)」として再定義する、統治の契約です。四方の守りが盤石となった時、あなたの人生は、何者にも侵されぬ聖域として、静かに、しかし力強く輝き始めます。
【 儀法の本義 】
本儀法は、東南西北を司る四天王を勧請し、あなたの生活領域に完全なる「秩序(コスモス)」をもたらします。四天王の機能は、単なる防御を超え、あなたの人生を荘厳するための四つの柱となります。
一、北方の富──多聞天
四天王最強の尊にして、尽きることなき財の管理者。清貧と困窮は似て非なるものです。多聞天は、あなたの生活から「欠乏」という概念を放逐します。富の流れを堰き止める因縁を断ち、家運を潤し、精神の余裕を生み出すための物理的な基盤(資財)を確立させます。
二、東方の安──持国天
国を支え、地を鎮める守護者。あなたの居場所を、物理的な災厄、天変地異、事故、盗難から隔離された安住の地となします。外の世界がいかに嵐吹こうとも、貴殿の扉の内側は常に凪いだ海のごとく、深き静寂と平和によって満たされます。
三、南方の栄──増長天
万物を育み、生命を燃え上がらせる力。仕事における成果、事業の発展、肉体の健やかさ。あなたが世界に対して放つ生命力を増幅させ、蒔いた種を確実に結実させます。それは「生きる」という行為そのものを、力強く美しい芸術へと昇華させる働きです。
四、西方の眼──広目天
千里を見通す、浄天眼(じょうてんげん)の持ち主。あなたを陥れようとする欺瞞、裏切り、悪意ある視線を瞬時に見抜き、その影響を未然に封じます。また、貴殿自身に「真実を見抜く眼」を与え、迷いの岐路において、繁栄へと続く正道を直感させる智慧を授けます。
【 費用 】
200,000円
【 執行の手順 】
距離は、四天王の眼力において意味を持ちません。何処に在ろうとも、あなたの「今」を聖域とする準備は整っております。
一、依頼
お問い合わせフォームより、氏名、住所、そして現在貴殿が求めている「安寧の形」をお知らせください。
現世の安楽を求めることは、恥ずべき執着にあらず。それは魂が安住するための礎(いしずえ)です。
二、執行
吉刻を選び、無辺が秘法を厳修いたします。
四天王の威光があなたの四方を囲み、運命の地平を整えます。あなたはただ、安らかに眠り、満ち足りた朝をお迎えください。
三、証文
儀法終了後、報告書を送付いたします。
四天王がいかなる災いの芽を摘み、どのような福徳の種を蒔いたか。その真実を記述し、お伝えいたします。



